月刊「矯正臨床ジャーナル」、「小児歯科臨床」、関連図書を通じ最新の臨床情報をお届けいたします。

Skeleton typeの拡大装置による矯正歯科治療  ―学童期の矯正歯科治療は“口呼吸”の改善から―

Skeleton typeの拡大装置による矯正歯科治療 ―学童期の矯正歯科治療は“口呼吸”の改善から―

プリント子どもの健やかな成長に寄与する、スケルトンタイプの拡大装置の理論と治療の実際を紹介。

著者 保田好秀、保田好隆

カテゴリー 矯正歯科関連図書

価格 ¥7,000- (税別)

発売日 2016年5月

サイズ A4変型版 / 98ページ


  当院の問診事項への回答は、不正咬合の原因となる口呼吸の存在を雄弁に物語ってくれる、最も安価で容易で適確な指標である。
 睡眠に関わる問診から口呼吸の存在がわかった例として、ある患者の母親が「子どものくせに、朝から疲れているんです!」と言った。睡眠中の血液の酸素量を計測すると、睡眠中に何度も酸欠状態になり、その時間は4分強という結果が出た。これが朝から疲れている原因であることは想像に難くない。
 酸欠状態は、完全に脳が睡眠状態で余儀なく鼻呼吸をしている時間帯において、鼻腔や気道の閉塞があるがために、十分な呼吸ができていないことを示している。この時は苦しいので、寝相も乱れるだろうし、寝ぼけて座ったり立ったりして口呼吸をして一息ついてから、眠りに就く子がいることも合点がいく。
 先の患者は、スケルトンタイプの拡大装置を用いて上顎を拡大した直後、酸欠状態は当初のおよそ十分の一にまで激減した。もちろん、この子どもはスヤスヤ眠れるようになり、朝から疲れることはなくなったことは言うまでもない。この事実こそが、我々がスケルトンタイプの拡大装置を用いる理由である。

        (本書「はじめに」より抜粋)